先日パラオ共和国ペリリュー島を訪ずれた。
この島から一昨日に帰ってきたのだが、精神的に疲れてしまった。

この島での活動はダイビングでもなく、ジャングル歩きでもなく遺骨収集調査なのです。
ご存知ではない方もいるかもしれませんので。こんな事があった所です。(NHKで放送された番組です)
  
 12分後半のシーンで洞窟陣地という言葉が出てきます。
こういった洞窟陣地でのご遺骨の有無の調査を行って来ました。

普段登山ガイドとして、いやクライマーとして ロープを使って岩の壁を登っているけれど
この技術が生かされるとは思ってもいなかった。
陽の目を見ない地道な作業ではあったが、社会に対して何か少しは役に立ったのではないかと思う。

この島はリン鉱が多く、また隆起サンゴ礁なので鍾乳洞も多い。
こういった自然洞窟やリン鉱の穴を利用して当時の米軍を迎え撃ったのである。

米兵のご遺骨は収容されることは多く、日本兵の場合はそのままにされてしまっていた。
いくら先の大戦が負の遺産とはいえあまりにもひどい扱いではないか?
このままではいけないという気持ちが昂る。

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豊かな自然と、人情味溢れる素晴らしい島。
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慰霊碑に合掌。

未調査の洞窟調査開始
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97式手榴弾と99式手榴弾3個いずれも信管付安全ピンあり。

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日本軍の鉄兜と銃剣のさや、ヤカンに海軍使用の食器。ここにはルイス式機関銃の弾倉二個(銃弾実装)があった。ご遺骨も数体分あった。
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こういった日本軍の航空爆弾もなぜか洞窟陣地にある。

暗闇の中で死というものが忘れ去られて70年もそのままに・・・

爆弾と銃弾に少し怯えて、しかもご遺骨を探すという非日常の極致を経験する。
洞窟から出ると異常に疲れを覚える。暑さのせいもあるかもしれないが汗ともなんとも言えない液体が頭から流れてくる、やるせない気持ちで感情も変になる。涙も出たかもしれない。

次回に続く